つまずき・転倒に備える、足元の見直し方

敬老の日が近づくこの時期、ご自身やご家族の足元が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。小さな段差でつまずく、歩くときに足が上がりにくい、すり足になってきた。そうした変化は、年齢のせいだけではなく、歩き方や靴の状態が関わっていることがあります。
つまずきや転倒に備えて、日常で見直せる足元のポイントをまとめました。
つまずきが増えてくる背景
歩くとき、足は地面から離れる瞬間につま先が少し持ち上がり、前へ振り出されます。年齢とともに足首や足指の動きが小さくなると、このつま先の持ち上がりが少なくなり、わずかな段差や敷居に引っかかりやすくなります。
歩幅が狭くなり、足裏全体でペタペタと着地する歩き方になると、体重を前へ運ぶ力も弱まりがちです。足指で地面を押す動きが少なくなると、踏ん張りがききにくくなり、ふらつきにつながることもあります。
こうした変化には、靴の条件も重なります。かかとが浮く靴、つま先が反っていない靴、脱げやすいサンダルやスリッパは、足が靴の中で安定しにくく、つまずきやすさに関わることがあります。
靴で見直したい4つのこと
一つ目は、かかとが合っているかどうかです。かかとを靴の後ろに合わせてから紐やベルトを締め、歩いてもかかとが浮かないかを確かめてください。

二つ目は、つま先の反りです。靴を横から見て、つま先が少し上に反っている靴は、歩くときに足が前へ転がりやすく、段差に引っかかりにくい形になっています。
三つ目は、甲をしっかり留められることです。紐やマジックテープで甲を固定できる靴は、靴の中で足が前に滑りにくくなります。脱ぎ履きのしやすさだけで選ぶと、この留める力が弱いことがあります。
四つ目は、靴底の減り方です。片側だけが大きく減っている靴や、クッションがつぶれた靴は、支える力が落ちています。長く履いている靴ほど、一度見直してみてください。
ご家族が気づきやすいサイン
つまずきやすさの変化は、ご本人よりも、そばにいるご家族のほうが先に気づくことがあります。たとえば、靴底のつま先側だけが大きく減っている、歩く音がすり足になってきた、靴のかかとを踏んで履くことが増えた、といった様子です。
階段で手すりを使うことが増えた、靴を履くのに時間がかかるようになった、というのも、足元を見直すきっかけになります。どれか一つでも当てはまったら、まずは今履いている靴を一緒に確かめてみてください。
家の中の足元も確かめる
つまずきは外だけでなく、家の中でも起こります。かかとのないスリッパや、大きすぎる室内履きは、足が前に滑ったり脱げたりしやすいものです。

室内履きを選ぶときも、かかとが包まれていて、足にしっかり合うものを選ぶと安心です。靴下だけで過ごす場合は、床で滑りやすくないかも確かめてみてください。
足元から支えるという考え方
足裏のアーチが下がっていたり、足が内側へ倒れ込みやすかったりすると、立ったときや歩いたときのバランスの取り方が変わります。インソールは、足裏を下から支えて、靴の中で足が安定しやすい環境をつくるための道具です。
当院では、国家資格者が実際に歩いていただく様子を確認し、足の動き方や体重のかかり方を見たうえで、靴選びのアドバイスやインソールをご提案しています。インソールを作らなくても、歩行チェック&歩き方アドバイスだけを受けていただくこともできます。
よくあるご質問
Q.インソールを作らずに、歩き方だけ見てもらえますか?
はい。歩行チェック&歩き方アドバイス(3,500円・税込)は単品でも受けていただけます。足のサイズ測定(2,000円・税込)だけのご利用もできます。
Q.転んでしまい、痛みがあります。相談できますか?
転倒のあとに痛みや腫れがある場合は、まず医療機関を受診してください。当院では、足と靴の状態や歩き方の面から、日常でできることをお伝えしています。
※記事の内容は一般的な情報です。痛みが強い場合や続く場合は、医療機関の受診をおすすめします。
